毎年この季節になると後楽園の周りでさくらカーニバルなる催しが行われる。みんなで桜を楽しもうという企画だ。
確かに気持ちはわかる。主旨には賛同する。しかし、少々騒がしくないだろうか。特にスピーカーから軽音楽を垂れ流す必要など全くないと私は思うのだが。
個人的にはせっかくの桜をゆっくりと静かに堪能したい。だが、大勢の観光客とスピーカーの音楽、そしておびただしい数の屋台には正直なところ閉口である。だいたい、ここは岡山だ。どうして蒜山やきそばや津山ホルモンうどんなどの屋台が並んでいるのだろう。どうせなら岡山名物で固めればいいではないか。
しかも、そうした食べ物を買ったお客たちは、みんな桜に背を向けて食べているではないか。目の前に見えるのは屋台だけだ。これはおかしい。桜を見ないで屋台を見ながら県北の名物を食べている。これでは岡山へ来た意味も、桜が咲いている意味もないではないか。
要するに何かの縁日にたまたま桜が咲いているといった感じである。もったいない。実にもったいない話だ。一年に一度しかない桜のシーズンではないか。みんな、もっと桜を堪能しようよ。やきそばやうどんなら一年中食べられるじゃないか。それより、じっくりと桜を観察し、その見事な美しさに酔いしれようではないか。
とにかく、後楽園の周りを散歩していて私は何か残念な気持ちでいっぱいになったのだった。
これなら、観光客が知らない静かな名所を探して出掛けた方が良さそうだ。実はそういう箇所は県内にたくさんある。備前にもあるし、高梁にもある。観光客だらけの新庄村だって、実は車でほんの10分ほど離れた場所にびっくりするほど見事な桜がある。
カーニバルかなんだか知らないが、私はゆっくりと静かに桜を堪能したい。
(写真は、さくらカーニバルの喧騒から少し離れた静かな場所で撮影。撮影日: 2012/04/12)
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