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きびだんごは何でできている?

きびだんご

きびだんごは何でできているのか?

これは岡山を訪れる観光客からよく受ける質問だ。私は静かに目を閉じ、呼吸を整え、やがて目を見開いておもむろに答える。

愛だ。他に何があるというのだ。

しかし、この答えに満足して立ち去った観光客はいまだかつてひとりもいない。で、仕方がないので原材料などの説明をする羽目になる。

歴史的なことを言えば、きびだんごは多分おむすびのようなものだったのではないかと思う。きびやあわやひえ、あるいはもち米などでつくった団子だったのではないだろうか。とにかく、これから鬼退治に出かけるわけだから、戦場での兵糧である。決して甘いお菓子などではあるはずがない。腹が減っては戦にならぬというが、要するに腹ごしらえになるような食べ物だったと考えるのが自然だ。

現在、岡山で販売されているお土産のきびだんごは桃太郎伝説にあやかったお菓子で、その原材料の多くは水飴が占めている。言うまでもなく水飴は夏は柔らかく、冬は固い。業者は一斗缶で水飴を仕入れるが、真冬にこの一斗缶の水飴の中に手を突っ込むと下手をすると突き指をするほどの堅さである。これを釜の中で手間ひまかけて練ってゆくわけだ。他にもいろいろと材料を入れてゆくわけだが、きびだんごの食感を決めている大きな要因はこの水飴にある。質の高い水飴を用い、とことん練り込めば柔らかくて後味のさっぱりしたきびだんごになるのだ。

どれくらい練り込むかというと、練り込みにつかうヘラを持ち上げた時、そのヘラから落ちてくる原材料がまるで滝から落ちてくる川の水のごとくサラサラになるまで練り込むのである。初めて見た時は私も驚いた。あれほど固い水飴やらざらざらした砂糖やらが最後には川を流れる水のようになるとは。そこまで練り込むにはいったいどれだけの時間と労力がかかるのだろう。きびだんご作りは実に根気のいる仕事なのだ。

最近は機械も導入されているようだが、機械だけでは美味しいきびだんごにはならない。機械を補助的に使いながら、最後はやっぱり人の手で練り込んでゆかねばならないのだ。きびだんご王国で推薦しているきびだんごはそういう手間ひまかけたきびだんごである。

みなさんもいろいろときびだんごを食べ比べてみてほしい。徹底的に練り込んだきびだんごは柔らかく、そうでないきびだんごは固い。私は柔らかさをきびだんごを判定するひとつの基準にしている。

売店に行けば、チョコ入りのものやフルーツピューレ入りのものなど、これでもかというくらい種類があるが、まずは基本形ともいえるプレーンなきびだんごを味わっていただきたい。

 

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