岡山では毎年、桃太郎祭りと温羅じゃ祭りという二つの祭りが同じ時期に行われている。
サラリと書いたが、よく考えるとこれほど不思議なことはあるまい。桃太郎と温羅は戦をして殺し合った敵同士だ。桃太郎は朝廷側、温羅は朝敵だ。つまり、天皇万歳派と天皇クソくらえ派の祭りが同時期に開催されているのだ。なにかヤバくないだろうか。
もともと二つの祭りは4月と10月に別々に行われていた。それぞれの祭りに地元の二つのテレビ局が関わり、互いに集客力を競っていたらしい。相当な赤字が出ていたようだが、そこはプライドがあり、互いに譲るわけにはいかなかったようだ。
ところが、どうせなら一緒にやったらどうか、という提案がなされた。一緒にやることでより大きなイベントになるとでも思ったのだろうか。二つの祭りの本質を考えると祟りが起きても仕方がない気もするのだが。
さて結果はどうかというと、ひとつに統合(実は夏まつりおかやまも一緒になったので、三つのイベントが統合されたことになる)したことにより、競争がなくなった両陣営は共に予算を削減することにした。こうして、二つの祭りはショボくなった。ショボいと言えば温羅じゃ踊りの音楽もショボいな… それはともかく、岡山の祭りが青森のねぶた祭りや徳島の阿波踊りのようなメジャーな存在になる日は来ないだろう。
どうせやるなら、全国から観光客が呼べるような盛大な祭りにしたいものだ。大いに吉備の国を盛り上げようではないか。しかし私の知る限り、全国放送で岡山の祭りが取り上げられたのを見た事は一度もない。NHKの中国地方版ニュースでさえ、あっさりスルーしていた。確かに温羅じゃ踊りは一昔前の原宿の竹の子族のような踊りだし、なんかオリジナリティがないんだよね。
まあ、岡山には西大寺のはだか祭りがあるからいいか。
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