私は老後に備えていろいろと投資をやっている。おかげさまでこのところ好調をキープしており、この調子なら老後はなんとかなりそうだ。
それはともかく、なんと時間も投資することによって増やせるなどという驚きの論理を展開している本を見つけた。『レバレッジ時間術』という新書だ。なんでも、将来の時間を増やすために今の時間に投資するということらしいのだが、立ち読みしただけではよくわからない。結局、買う羽目になってしまった。
なるほど、一読しただけではよくわからない本を書くというのも上手い商売かもしれない。すぐに要点がわかってしまうような本だと立ち読みされるだけで買ってもらえない可能性が高いからだ。まあ、私が書くなら専門書だから必要な人は買うしかないとは思うが。
で、肝心の要旨だが、現在の時間を節約してもその場しのぎにすぎず、抜本的な解決にはならないというのが著者の主張らしい。この点、昨日紹介した書籍とかなり内容が異なる。昨日の書籍はいわば究極の時間節約術とでもいう内容だった。それに対し、今回の書籍では、将来時間の余裕を生み出すために、周到な計画を立てようという内容だ。
確かに、どちらの主張も一理ある。無駄な時間の使い方をやめ、さらに将来のために時間の貯蓄をしてゆくというのは実に理にかなっている。前者は決断が、後者は思考が求められる。
後者の難しいところは、目標を定めて、そこから逆算して時間を割り振りしてゆくという点だ。大学入試のように、目標の期日がはっきりしている場合は明確だが、人生の目標などとなるとそもそも期日が曖昧である。それにしばしば予定は変更を余儀なくされる。
結局のところ、最終的な解決策はひとりひとりが自分で見つけるしかないだろう。この書籍にも様々な助言が書かれていて大変有り難いのだが、やはり読者が自分で工夫するしかない。当たり前だが、書店に並んでいるおびただしい書籍は人生の答えを用意しているわけではなく、なんらかの示唆やきっかけを与えてくれるにすぎない。使えそうなアイデアをひとつでも手に入れたら、その書籍は読んで得をしたといえる。抜本的な解決策が得られなかったからといって不満を持つのは間違いだ。
私はと言えば、この作業は将来の時間短縮に繋がるか、将来の時間的余裕に繋がるかといった観点から仕事自体を見直すようにした。それがこの書籍から得た利益だ。ただ根性だけが時間短縮の手段であるなら、その作業はやめた方がいいだろう。そうではなく、なんらかの工夫で将来の時間を生むことに繋がる作業ならしっかりやるべきだ。
とにかく、時間は限られている。よく考えて使いたい。
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