最近、我が国でも少しずつ電子書籍が増えてきた。といってもまだまだコンテンツが少なく、私が読みたいジャンルをカバーしていないため、当分は紙の書籍にしか興味はない。
だが、洋書となると話は別だ。すでにかなりの数の書籍が電子書籍化されており、日本から注文すると手元に届くまでに数週間かかる書籍が瞬時にダウンロードできる点は魅力的である。
先日、とある音楽関連の書籍を電子版で購入してみた。紙媒体では400ページくらいの書籍だが、これが重量ゼロでiPhoneに入ってしまう。考えてみれば当たり前だが、この重量ゼロというのは持ち運びを考えると大きなメリットだ。これなら、移動中に読んだりするのに荷物にならずに済む。フォントも奇麗で読みにくいということもなく、これはこれで満足した。
だが、期待はずれの面もあった。まず、音楽書籍であるから、当然のことながらあちこちに譜例が掲載されている。私としては、例えばこれらの譜例を指でなぞると音が聞こえるといった仕様にしてほしかった。ちょうど電子版の外国語の辞書のような要領で、例文をクリックすると音声が聞けるアレだ。この機能があれば音楽書籍は随分楽しいものになるに違いない。
しかし、まだそういう便利な音楽書籍はないようである。譜例の音源を用意している書籍もあるのだが、別途ダウンロードしなくてはならず、読書の流れを邪魔してしまう。これは残念だ。これなら重量を除けば、特に電子版を購入するメリットはない。CD付き、あるいはダウンロード音源付きの紙媒体で十分である。
すでに絵本などでは、動画を多用した、まさに電子版ならでは仕掛けを駆使している書籍もある。それに比べると音楽書籍は少し遅れているのではないだろうか。おそらく、将来的には音楽書籍なども私が提唱しているような仕様に進化してゆくはずだ。そうなると、紙媒体を購入していても、それとは別に電子版もほしくなるだろう。
私は古風な人間で、紙媒体と縁を切ることはありえないが、しかし電子媒体もその進化次第では必需品になるかもしれない。
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