夕方、テレビのニュースを見ていていつも思うのだが、どうして全国のニュースといいながらアメリカの大リーグ情報などを流すのだろうか。
地方でテレビニュースを見ていると、途中から画面がローカル放送局のスタジオに切り替わり、「ここからはエリアのニュースをお伝えします」と地方局のアナウンサーの挨拶が入る。この瞬間、画面から華やかさが消え失せ、突然自分が辺境の地にいることを思い知らされるのだ。
それはともかく、問題はエリアのニュースの直前に流れていた「全国のニュース」だ。全国というのは地方も含めた日本国内のニュースでなくてはならないはずだが、実際には地方のニュースなど大して流しもせず、アメリカの大リーグ情報やらイタリアのサッカーの試合結果などを流している。
おい、アメリカやイタリアは全国に入るのか? おかしいじゃないか。それは全国のニュースではなく、海外のニュースではないか。そんな外国のニュースを流す時間があれば、地方も含めて国内のニュースをもっと流してほしいとつくづく思う。
だが、全国のニュースで取り上げられる地方のニュースと言えば、重大な犯罪や事故、天災がメインで、例えば地方の芸術家やスポーツ選手にスポットが当たることはまずない。もちろん有名になれば全国ニュースに登場することになるが、有名ということはすでに誰でも知っているわけだから、もはやニュースでもなんでもないではないか。誰も知らない情報を伝えるからこそニュースだと思う。それがニュース本来の使命だったはずだ。
とにかく、広く認知され、ニュースでなくなった頃に全国ニュースに取り上げられるというわけのわからない現象がテレビの実態である。
さらに、もう一つ文句を言えば、なぜスポーツコーナーがあるのに、音楽コーナーがないのだ。スポーツなら、夜のスポーツ番組があるじゃないか。わざわざニュース番組の中にスポーツコーナーを設ける必要はない。そんな時間があったら、音楽コーナーあるいは芸術コーナーを設けてほしい。それこそ全国で行われているコンサートの状況や博覧会、個展といったものを取り上げればいいではないか。恐らく、ニュース番組にはスポーツコーナーを組み込むのが常識であると思い込んでいるプロデューサーだらけなのだろう。
はっきり言おう。常識は常に疑ってかかるべし。
常識にとらわれている限り、新しい発想など出てこない。私がプロデューサーなら、全国ニュースは国内に絞る。そしてスポーツコーナーは消し去る。さらばスポーツキャスターよ。何? それではプロ野球選手と結婚したがっている女子アナからブーイングが出るだと? 結構だ。そんな女子アナは私の番組には必要ない!!
などと今回も好き勝手を言いまくったが、やはり全国ニュースでは、全国(いうまでもなく日本国)の未知の情報を伝える努力をしてほしい。アメリカでイチローがダルビッシュに激励の言葉を掛けた、などというのはニュースでも何でもない。普通、激励くらいするだろ。同じ日本人なんだから。そんなどーでもいいことに電波を使うなら、国内で努力している無名のアスリートを取り上げて応援してほしい。それが全国ニュースの意義ではないだろうか。
あと、スポーツ偏重主義もやめてほしい。スポーツだけが人生ではない。だいたいスポーツは身体に悪いという研究結果もあるではないか。特にマラソンやボクシング、相撲などは見るからに身体に悪そうだ。そんなものばかりに注目しないで、もっと芸術に力を入れてほしい。芸能ではなく芸術だ。芸術キャスターや芸術リポーターなどという職業を新たに作ってはどうだろう。何事も革新が大切ではないか。
とにかく、思い込みを捨てて、全く新しいニュース番組を作ってほしいものだ。
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