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復興

日はまた昇る

震災から一年、被害に遭われた方々には掛ける言葉も見つからないほどの災害であり、復興への道のりはまだまだ先が見えない状態である。

そんな中、仮校舎で授業を再開した小学校や、大幅に遅れて卒業証書を手渡す光景などがテレビで放送され、私も大きく心を動かされた。

が、ここでふと子供たちが歌っている歌の歌詞が気になってしまった。例えば『ふるさと』である。「うさぎおいし~」という有名な歌詞だが、これはもちろん「うさぎを追いかけた」という意味だ。肝心なのは「おいし」の「し」であり、これは古文で習う助動詞「き」の連体形である。

また、卒業式で歌う『仰げば尊し』に出てくる「今こそわかれめ」という部分の「め」は古文の助動詞「む」の已然形(いぜんけい)であることは言うまでもない。この場合、「こそ」があるために係り結びになっているのだ。

しかし、私の知る限り、古文を習うのは中学校に入ってからではなかっただろうか。もしそうなら、小学生にこうした唱歌の意味がわかるはずがない。『蛍の光』だって、例えば「かたみにおもふちよろづの~」の「かたみ」が「お互いに」という意味の副詞であると知らなければ意味がわかるはずがないではないか。これらは全部古文だ。(あと、小学校で必ず歌うのが『君が代』だが、こちらは以前の日記で解説したので今回は触れない。)

ということは、文語の伝統が残っていた昔の子供たちには適当であった唱歌も、現代の子供たちには意味不明という笑えない現実があるのではないだろうか。最近では小学校から英語などを習わせているようだが、日本の古き良き伝統を守るためには、むしろ古文を習わせた方が得策ではないのか。このままでは、英語は話せるが日本のことは唱歌の歌詞も含めてよくわからないという、本当に日本人かとツッコミを入れたくなるような日本人だらけになってしまう気がして恐ろしい。

ネットの世界でも、お客様からの問い合わせメールの日本語の質は低下の一途をたどっている。コイツ、本当に日本人か、と疑いたくなるほど無茶苦茶な日本語の例は枚挙にいとまがない。ひょっとしてゆとり世代だろうか。とにかく、下手を通り越して、デタラメな文章が多い。大変遺憾だが、正しい日本語が使えない人々がどうやら急激に増えているようだ。

震災から一年。復興はインフラだけではない。日本人の心の拠り所ともいうべき美しい日本語も是非復興してゆきたいものだ。

 

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