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パクリか芸術か

面白い恋人

吉本興業の子会社が販売している「面白い恋人」というお菓子が、北海道で「白い恋人」を製造販売している石屋製菓から訴えられている。なんでも便乗商法あるいはパクリ疑惑というやつらしい。私は法律のことは詳しくないため、裁判の行方は予測できないが、なかなか興味深い事例ではある。

ちなみに、岡山駅に行くとびっくりするほどよく似た名前のお菓子が所狭しと並んでいる。例えば、「岡山白桃ケーキ」の隣に「岡山の白桃ケーキ」が置いてあるが、違いは「の」の一字だけだ。また、「白桃パイ」の隣には「清水白桃パイ」である。岡山の白桃と言えば清水白桃が有名で、これを使うかどうかが決めてのひとつではあるが、単に白桃と書いていても清水白桃を使用しているお菓子もあるため、まぎらわしい。

その他にも、岡山駅には「白桃クグロフ」「白桃キャラメル」「白桃せんべい」「白桃羊羹」「白桃チョコ」「白桃キャラメル」「白桃サブレ」「白桃ロール」「白桃スフレ」「白桃プリン」「白桃ゼリー」などこれでもかと言わんばかりに便乗商品が並びまくっている。岡山と比べれば大阪の「面白い恋人」など大したことはないと思うのは私だけだろうか。

だいたい大阪と北海道は地理的にとても離れているため、大阪での売り上げが北海道での売り上げを食っているとは思えない。それともネットで売り上げが食われているのだろうか。そういえば北海道にはきびだんごと無関係なのにきびだんごという名前の付いたお菓子がある。だが、岡山のきびだんご業者が訴えたという話は聞かない。石屋製菓は「全然面白くない」と言っているが、それならば「全然面白くない恋人」という名前に変えてみてはどうだろう。これなら、「全然面白くない」と言われても、「その通りです」と開き直ることができるではないか。

もっとも、私なら「赤い愛人」とか「腹黒い恋人」とか「白い変人」とか「灰色の友人」といった名前で大胆に攻めるだろう。どうせ便乗するなら、そこまでやってほしい。

ところで、自然界ではこうした便乗商法ならぬ便乗処世術とでもいうものが古来より盛んに行われている。例えば、トラカミキリ(トラフカミキリ)だ。その外見はスズメバチにそっくりである。危険なスズメバチに似せることで補食動物の攻撃を避けているわけだ。これは擬態などと言われるが、要するに生活の知恵であり、私に言わせるともはや芸術の域に達している。こうした擬態によって反映している動物は枚挙にいとまがない。が、誰からも訴えられたりはしないのだ。

自然は寛容だが、人間は厳しいということか。あるいはパクリのレベルが未熟で芸術の域に達していないということなのだろう。その証拠に物まね芸人の中にはその芸が芸術の域に達している者もいて、彼らは訴えられるどころか、高い賞賛を勝ち取っているではないか。やはりパクるなら大胆にパクるのがいい。中途半端なパクリはみっともない。

一例を挙げると、小澤征爾というオーケストラの指揮者がいる。恐らく世界的に最も著名な日本人指揮者だ。輝かしいキャリアは誰もが認めるところである。が、そのヘアースタイルは世界音楽史上でも最悪の部類に入る。しかし、日本人指揮者の中には彼のヘアースタイルをパクる者が大勢いるのである。最近では少なくなったが、以前はあちこちにいて大いに笑わせていただいた。また、彼がネクタイをやめて詰め襟風の服を着用するようになると、これまた多くの日本人指揮者がまねた。その後、彼が指揮棒を使うのをやめると、やはり多くの日本人指揮者が指揮棒を使わないで腕だけで指揮をするようになった。

こういうのはレベルが低すぎるのでやめてもらいたいものだ。

 

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