きびだんご王国 | 桃太郎伝説ときびだんごについて、岡山の有志が集まって楽しく語るサイト

きびだんご王国 桃太郎伝説

のんびり自分らしく

のんびり

先日、フランス人の友人が来日し、16年ぶりに再会した。神戸牛が食べてみたいというので、わざわざ神戸まで行き、創業30年という老舗のお店でもてなした。なんでも最近の旅行ガイドでは、神戸牛が大きく取り上げられているらしい。牛肉料理なら上等なものがフランスにいくらでもありそうなのだが、食べたいといわれれば仕方があるまい。

さて、このフランス人から面白い話を聞いた。なんとフランスでは無印良品が高級ブティックなのだそうだ。私の感覚では無印良品は庶民の味方という印象だが、フランスではMUJIと呼ばれ、高級店として人気があるらしい。商品の値段を聞いたが、結構な値段だ。フランス人のみんな、騙されてるよ~!!

しかし、同じようなことは日本でも起きている。例を挙げると、フランスでは安ワインのボジョレ・ヌヴォーが、日本では結構な値段で売られている。ボジョレというのはリヨン郊外にある小さな村の名前で、毎年ここで生産されるワインが最も早く出荷されるため(11月第3木曜日)、その年のワインの出来を予想する上でワイン業者に注目されている。が、以前はそれだけであった。ところが最近ではこれをイベントとして盛り上げる商売上手な人々が現れ、やがて日本にもマーケティングが拡大したというわけだ。フランス国内でも決して人気があるとは言えないボジョレだが、なぜか毎年大量に買ってくれる東洋の猿が現れた。フランス人業者はさぞや喜んでいるだろう。

ちなみに、日本では間違ってボージョレ・ヌーヴォーとか、ボジョレーなどと発音されることが多いが、正しくは「ボジョレ・ヌヴォー」だ。これ以外ありえない。テレビでアナウンサーがボージョレとかボジョレーとかヌーヴォーなどと発音するたびに気分が滅入る。せっかく美人の女子アナでも、その瞬間ブタにしか見えなくなってしまう。残念だ。(Wikipediaでもボジョレーとなっていた。耳が悪い人にはそう聞こえるのかもしれない。)

それはさておき、フランスで1本数百円からせいぜい千円程度のボジョレが日本では2000円以上もするというのは不思議だ。ワインの関税はかなり低い水準なので、誰かがよっぽど儲けているに違いない。一番腹が立つのは、有名人を集めて、毎年ボジョレの解禁イベントを盛大に行うことだ。フランスの商売上手なやり方を踏襲しているのだろうが、普段は1本数万円もする高級ワインを飲んでいる連中が、この安ワインをさも美味しそうに飲み、今年のボジョレはいいね、などと業者にリップサービスをする。もちろんギャラをもらっているわけだが…

しかも、こうしたイベントが毎年テレビのニュースになっている。なぜこんなものをニュースにするのか理解できない。まるで、5月頃に静岡県で水揚げされた初がつおがフランス全土でニュースになるようなものだ。恐らく、業界とマスコミが裏で手を握っているのだろう。あるいは、もっと上のレベル、例えば政府間でボジョレの輸入を推進する約束でも結ばれているのかもしれない。結局、何も知らない人々は踊らされて財布の紐を緩めることになるわけだ。

それはさておき、ボジョレにも気の利いた飲み方がある。冬の定番、ホットワイン(フランス語ではヴァン・ショーという)だ。これは赤ワインを鍋で煮て、柑橘系の果物を入れ、カシスなどで甘みを加えた飲み物だ。ボルドーやブルゴーニュの高級ワインはもったいなくて無理だが、ボジョレなら心置きなく使える。特にクリスマスの頃にフランスでは広場などにホットワインの屋台が並ぶ。まだ当分寒い日が続きそうなので、我々も試してみるといいだろう。

それにしても、CM(ときにニュース等も含む)というのはえげつないものが多いな。もうすでに十分満たされて幸せな家庭に、「いやいやまだ足りないものがありますよ」と訴えかけるのがCMだ。毎日CMを見ていると、こんなにも私の生活に足りないものがあったのか、と恐縮してしまう。だが、本当に必要な商品を宣伝しているCMは稀だ。多くは不要なものばかりである。

だが、この国の住民はCMやニュースに強く影響される。トマトが肥満解消に効くとテレビで流れると、翌日からスーパーでトマトが品薄になるという具合だ。

もういい加減CMやら有名人やらに惑わされるのはやめて、のんびり自分らしく生きていこうではないか。

 

きびだんご王国のFacebookページは、コチラ

カテゴリー : もろもろ