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きびだんご王国 桃太郎伝説

二軒の床屋

床屋

旅人がある国を訪れた。その国には床屋が二軒しかなかった。髪を切ってさっぱりしたいその旅人は二軒の床屋を見比べてみた。一方の床屋はダサイ中年のおじさんがやっていて、店は古くさく、本人の髪型もぱっとしない。もう一方の床屋はハンサムな若者がやっていて髪型も素敵だ。

で、この旅人は迷わず、ダサイおじさんの店に入った。

私はこの話が好きだ。要するに、その国には床屋が二軒しかないのだから、ハンサムな若者の髪を切ったのはダサイおじさんである。つまり、ダサイおじさんの方が腕が上なのである。

この話には医者バージョンもあるが、ストーリーは同じだ。要するに外見に惑わされてはいけないという教訓である。

しかし、世の中にはこうした理屈が全くわかっていない人が多い。例えばここにピアノ奏者の師弟がいて、先生の方は無名の町楽士であり、弟子の方はコンクールで優勝した経歴を持つ世界的な音楽家だとする。あなたならどちらの弟子になりたいだろうか。上記の話を知っていれば、無名の町楽士である先生の方に弟子入りするだろう。なぜなら優れた弟子を育てた実績があるからだ。一方、弟子の方は世界的なピアノ奏者だが、弟子を育てた実績はない。

にもかかわらず、弟子入り希望者はこの世界的な弟子の方に殺到するのが常である。私の知る限り、世界的な音楽家の弟子になって、その弟子が師匠を超えて大成する例は稀である。優れた音楽家には天才的なタイプが多く、どうやって自分が上達したのかよく覚えていない人が少なくない。だからどう教えてよいかわからないという話をよく聞く。最悪なのは、「僕は最初からできたのに、どうして君はできないの?」などと言う奴だ。こうなると生徒は救いようがない。

と、いろいろ書いてみたが、要するに物事には裏があり、私のようにひねくれた見方をしてみるのも大切だと言いたいのだ。世間では私をひねくれ者として冷たい視線を浴びせる向きもあるが、ひねくれてこそ見えてくるものもあるのだ。

さあ、思う存分ひねくれてみるがいい。

というわけで、ここであなたがどれだけひねくれる才能があるか試してみよう。

目の前に8個入り315円のきびだんごの小箱と30個入り1000円のきびだんごの大箱がある。あなたとしては、30個入りの方をたくさん売りたい。ところが、お客は8個入りばかり買っていく。

さあ、どうしたらいいだろう。なに? 安い方が売れるに決まっているって? その通りだ。ではどうしたらいいだろう?

私なら、8個入りを思い切って1500円にするのだ。そうすれば安い30個入りの方がたくさん売れるだろう。

え? なぜ数が少ない方の値段を高くすることができるのかって?

ズバリ、希少価値だ。

とまあ、ここまでひねくれることができれば、あなたはきびだんご王国の次の国王になれるかもしれない。ただし、国王は孤独だが。

 

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