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きびだんご王国 桃太郎伝説

真実の泉

既に感づいておられる方もいるかもしれないが、きびだんご日記は何でもアリの無法地帯だ。ただし全くのデタラメではない。かなりの程度に真実が含まれている。もっとも私は真実という言葉には疑念を抱いているのだが…

かつて、勇敢な男がいた。彼は海賊船を操り、真実の泉を求めて七つの海を航海した。30年もの時を経て、ついに彼は真実の泉にたどり着いた。だが、その泉の水を口にした途端、激しい吐き気に襲われた。その翌日、高熱にうなされながら彼は息絶えてしまった。彼が残した航海日誌の最後のページにはこう記されていた。「真実なんかくれてやる。」

私はこの伝説を知った時、人間は真実に触れてはならぬと悟った。真実は神の領域なのだ。きびだんご日記に多少のデタラメが混じっていたとしても、それは神に対する畏敬の念と言えよう。真実はこの世の全てではない。真実が全てなら、恋も冒険も成立しない。きびだんご王国も砂漠の蜃気楼にすぎないだろう。

ところがきびだんご王国の技術者たちは、真実を探るためのスーパーコンピュータ開発に情熱を傾けている。先日もレンホー議員が仕分けしたにも関わらず、いつの間にか予算が復活しているのだ。このスーパーコンピュータは「何でも屋銀さん」というコードネームで呼ばれている科学の粋を尽くした人口頭脳で、なんでもマックロソフトのオフィスに搭載されている人口無能、冴子さんに匹敵するほどの処理能力を誇るスグレモノらしい。私は嫌な予感がしているのだが、技術者たちは銀河で一番になりたいと主張して譲らない。ちなみに銀さんの銀とは銀河に由来する。白髪の天然パーマがトレードマークの万事屋(よろずや)とは何の関係もないことはゆーまでもない。

どれ、技術者たちがそれほど自慢するスーパーコンピュータなら、ひとつ真実とやらを尋ねてみようではないか。そうだ、今朝から雪が降っていることだし、ここはひとつ私の好きなシャンソンについて聞いてみよう。

入力: ♪ 雪は降る、あの人は来ない ♪… Enter。

カタカタカタ、ピピピピッ、カタカタカタ……………

ピッ!! 《ソレガドウシタ》

おっ、銀さん、随分投げやりじゃねぇか。莫大な国家予算を投入してるんだし、もう少し詳しく回答してくれなきゃ困るぜ。もう一度、Enter!

カタカタカタ、ピピピピッ、カタカタカタ……………

ピッ!! 《ソレハアタリマエ、ユキデミチガフサガッテイテ、トオレナイ》

さすが銀さん、なかなかスルドイ指摘だ。スーパーコンピュータと呼ばれるだけのことはある。
だがまてよ、本当にそれが真実なのか? もう一度、Enterだっ!!

カタカタカタ、ピピピピッ、カタカタカタ……………

ピッ!! 《ユキガヤンデモコネーヨ、モウオワッテル》

ぎ、銀さ——ん!!!

 

『この惑星の住人はやたら真実を知りたがる。そして、時には真実が悲劇を生む。
だが、この惑星の住人は懲りるということを知らない。 —-  缶コーヒーのBUKA

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