テレビでカニ料理の番組をやっていた。カニを食べるときはみんな静かになるね、とか言いながら、出演者たちは結構ワイワイ盛り上がっていた。
が、私にはカニを食べて盛り上がる理由がよくわからない。実は私はあまりカニを食べないのだ。別に嫌いなわけではないが、陸生哺乳類であるヒトが海の底を這い回るカニを食べるという行為に合理的な説明がつかないのだ。進化論でも分子生物学でも説明がつかない。説明がつかない以上、積極的に食べる理由がない。
動物にはみな食性というものがある。それぞれの生活空間で手に入るものを効率よく食べている姿こそ自然なのだ。川のカニならいざしらず、数百メートルから場合によっては800メートルを越える深海に棲息するカニなど本来我々の食性から考えるとありえない話だと思う。しかも、ベーリング海のカニ漁ときたら、毎年何人もの死者が出るという命がけの漁だと言うではないか。そこまでして食べたいのか、と思わずツッコミを入れたくなる今日この頃である。
カニだけではない。フルーツなどもそうだ。南国のフルーツは身体を冷やす効果があり、それゆえ熱帯地方に住む人間にとってありがたい食べ物なのだ。これを北国の人が食べると身体が冷えて健康に悪い。北国の人には北国のフルーツが身体に適しているのだ。だから、日本人には本来バナナとかパッションフルーツなどは必要ないのだ。
最近では地産地消という言葉が普及してきているが、農業行政上の意味だけでなく、今述べたような意味があると私は解釈している。自分が暮らしている土地で取れるものを食す。これこそ自然な食生活の基本だ。ライオンが海に潜ってタラバガニを食べたり、クジラが木に登ってバナナを食べたりしたら不自然この上ない。
というわけで、我々は身近で手に入るものを食べていればよいのである。珍しい食材や異国の食材はごくたまに話のネタに食べるくらいに考えておけばよいのではないだろうか。
いや、待てよ。二日前の日記にも書いたが、私は珈琲をよく飲む。でも、珈琲豆はアフリカや南アメリカを主な原産地とする南国の果実だ。私としたことがなんということだ。言っていることとやっていることに整合性がないではないか。う〜む、でもそこが私の魅力だからよしとしておく。ただ、珈琲には身体を冷やす効果があるに違いない。幸い私は冷え性ではないが、冷え性の方は珈琲は控えた方がいいだろう。
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